ふでまりぶろぐ

50歳オバサンの凡人脳を綴る

誇り高きもの、働く汗

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

土木建築の現場事務員として勤め始め4ヶ月目を迎えている、50才ふでまりです。

土木系の施工管理業である国立大卒揃いの男性メンバーに埋もれながら、足を引っ張らないようにと、ある意味心地よい緊張感を持ちながら日々送っています。

言わずもがな彼らは全員理系のエリート集団。
かたや私は文系で、おまけに頭も良くないので、かつて数学で習ったであろうΦ(ファイ)やσ(シグマ)などの記号も理解していないほどです。

ですから、頭も身体も使う彼らの仕事に毎日感動を覚えながら、雑用係をしているといった感じなのです。
純粋に、働く姿がカッコいいです。
事務所から現場に行く時は戦場に向かうように、現場から戻って来た時は戦い(闘い)から帰って来たように、私の目には映ります。

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そんな彼らも、性格に関しては十人十色。
私も含め、人は皆一長一短あるわけです。
人の管理・物の管理をしながら自身も現場で動き、安全に工程通りに進める必要があるのだから、そのために意見の激しい衝突が起こるのは悪いことではないでしょう。
むしろ、それだけ真剣に取り組んでいるということだと思います。
そこに多少の言葉の荒々しさが出ても、それはそれで心打たれます。

問題はその逆です。
もっと胸を張って自信をもって行動すれば良いのに、と思ってしまうぐらい、遠慮がちで大人しい職員も中にはいるんですよね。
私の職場にいるその人は、極端に気を遣い、勢いも感じないのです。超ベテランであろうその背中は、定年間近の年齢ともなると、物腰の柔らかさもプラスされるのでしょう。静かというか、消極的に見えるのがもったいないです。
例えばこの炎天下、現場で作業員をみながら自らも汗びっしょりになって動くのに、その感じでどうやってまわりを回しているのだろうか、と不思議でたまりせん。
もしかすると、それがその人の戦略なのかもしれませんが(笑)
雑用係が介入することではないのでしょうが、先日、いつものように私の所へその日取引のあった納品書を持って来て、発した一言が悲しくなったのです。
「ふでまりさん、汗臭くないですか?大丈夫ですかねぇ…」
私に気を遣う意味も多少はあったかも知れませんが、気にするところがズレていると思い、即答しました。
「そんなこと気になりません!仕事なんですから。大丈夫ですから!」
笑顔で、しかし強めの口調で喝を入れてしまいました。
他のメンバーも現場から戻って来ていて、デスクに勢揃いでしたが、お構い無しに言いました。どう思われてもいいと思いました。
今思い出しても涙が込み上げてきます。だって、その汗でご飯を食べることができている家族がいるんですよ。
その汗は誇りです。美しいです。
もしも、汗臭くて嫌がる人がいたら、説教したいほどです。
(働かない汗は論外ですよ)

今の仕事に就いて、ゼネコンの世界に初めて触れることができているのですが、改めて気付いたことがあります。
汗だくで働く姿が大好物です。
汗と砂埃にまみれて打ち合わせにやってくる協力会社さんを見掛けると、こちらから吸い寄せられるように声を掛けてしまいます。手を差しのべたくなるような…
何故なんだろうと考えるまでもなく、私の心の中には父の姿がありました。

あまり深く考えたことがなかったのですが、今思えば、現役時代の父の立場が正に協力会社だったのです。
白いはずのヘルメットは傷だらけで茶色く刻まれていました。
朝6時に出掛けて、帰って来るのは夜中でした。
重油の染み込んだ手のしわが大黒柱のたくましさだと、幼心に認識していました。
酸っぱくなった泥だらけの作業着が、今は思い出の匂いなんです。
私が年頃になってからも、多少の反抗期はありましたが、父を嫌だと思ったことは一度もありません。
だから、よく耳にする「一緒に洗濯するのがイヤ」とか思う心が、私にはよく分からないのです。
軽蔑するような出来事がなかったこともあるのかも知れませんね。
幼い頃から見てきた父ですが、たまにある日曜日の休日以外は、休んだ姿を見た記憶がありません。休日でさえも、一日中仕事の道具を整備・修理していました。
要は、年中無休で働いていたと言うことです。
かなりブラックな中小企業でしたが、代表だった伯父も数年前に他界し、今は会社もありません。
このような環境で育ったことや、遺伝も加勢してか、実家の面々は皆、仕事虫です。
汗を流して働く達成感や楽しさも知っています。

そのような擦り込みでできている私の心とからだですから、やはり今の職場に通える喜びも大きいのです。
まだ言えば、休日には職場が恋しくなるほどで、先月の4連休は私だけ休日だったのが、本当に寂しかったです。
お盆休みを挟んだこの10連休などは、気絶するかも知れません(笑)
メンバーに恵まれてもいるのでしょう。全員大好きです。
サポートなんて、おこがましくて言えませんが、事務員という名の雑用係として、彼らが仕事をしやすいように、環境整備を一生懸命しようと毎日意識しています。
そして、「職場のグリーンでありたい」という当初からの心は変わらず、観葉植物の役割を目指して、工期が終わるまで注力していきます。
だからどうぞ、その働く汗に誇りをもって闘いから帰ってきてほしいのです。

連休明けからもまた、誇り高き汗の応援団として旗を振り続けます。

長文、最後までお読みいただきありがとうございます。
次回のお越しもお待ちしています。
では、ごきげんよう

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